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執筆者の写真Miho Oashi

『表現の不自由展・その後』のその後

8月1日からスタートした「あいちトリエンナーレ2019」が話題になっている。

展示のひとつである「表現の不自由展・その後」が、開催3日後に中止に追い込まれたという、まさに「表現の不自由」を表してしまった問題で、世界各地から声明が寄せられている。『ARTNEWS』によれば、11組の海外アーティストが作品の展示中止を求めていて、昨日には芸術監督である津田氏の声明も発表された。また、騒動の中心となった作品『平和の少女像』については、スペインの実業家が買い取り、来年開館予定の「自由美術館」にて展示予定だという。


ことの発端は、河村たかし名古屋市長による展示中止の要請だ。抗議の電話や、テロ予告などが殺到し、スタッフの安全面からも中止という決断に至ったらしい。吉村洋文大阪府知事に至っては作品は「反日プロパガンダだ」と発言している。そもそも、“プロパガンダ”という言葉は、権力を握っている側から発信することを指すから、使い方が間違っている、と大竹まことさんのポッドキャスト『大竹まこと ゴールデンラジオ』内で、獨協大学特任教授の深澤真紀さんが言っていた。

2017年 バンコクのギャラリーでオープニングパーティ

この検閲問題は、すぐにタイの友人のアーティストらがFacebook上で反応していた。みんな日本は民主主義の進んだ国、と思っている(はず)だから、検閲がこんな堂々とまかり通ることに驚いていると思う。タイでは軍の介入(検閲)は日常茶飯事だ。だからこそアーティストたちは表現の自由を求めて作品を通して抗議する。日本では、アートで政治を語るなと思っている人が多いように感じる。アートだけに限らず、芸能人、知識人、一般人すら公に政治を語ることは少ない。私も国外に出るまではその一人だった。どこか触れちゃいけないタブーのにおいがしたから。


アートって、見る人に疑問や多角的な視点を与えるもの。だからこそ今の時代に必要不可欠なんだと思う。


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